研究グループ・研究室

研究グループ・研究室

農学科は18の研究室があり、食料生産や環境問題に関する研究を行なっています。
各研究室は研究内容に基づいて、6つの分野に別れています。

作物生産科学分野農学実験 I

作物生産科学分野は、作物学研究室、生産システム学研究室、植物育種学研究室の3研究室で構成されています。作物学研究室では、食料問題の解決に貢献するために、世界3大穀物のひとつであるイネを対象に、生理生態機構の解明や栽培技術の開発を通じて生産性を高める研究に取り組んでいます。また、気候変動に適応した稲作栽培技術の開発も取り組んでいます。生産システム学研究室では、都市近郊型施設内栽培研究、植物工場における高付加価値野菜生産研究、植物生理生態特性の解析に関する研究を行っています。企業との共同研究など社会還元できる研究を重視しています。タバコの栽培種(タバカム種)と有用な形質を持つタバコ野生種との交雑では、その雑種がしばしば枯死します。この枯死現象はプログラム細胞死によることが判明しています。植物育種学研究室では、この枯死の原因遺伝子を探しています。

作物学研究室

研究テーマ

作物における収量・品質の向上に関する研究
気候変動に適応した作物栽培技術の開発
熱帯アジアにおける生産性向上に関する研究

担当教員

塩津 文隆 / SHIOTSU Fumitaka


生産システム学研究室

研究テーマ

省力化を目指した都市近郊型施設内作物生産
環境ストレスと植物の生理生態
植物工場における効率的作物生産

担当教員

池田 敬 / IKEDA Takashi


植物育種学研究室

研究テーマ

タバコ属植物の種間雑種における致死性に関する細胞生物学的研究
タバコ属植物の種間雑種における致死性の遺伝学的研究
植物組織培養を利用した育種技術の開発

担当教員

丸橋 亘 / MARUHASHI Wataru

動物科学分野農学実験 Ⅱ

動物科学分野は、「ヒトと動物との関わりとは?」を大きな目標とし、国内だけでなく国際社会に貢献できる研究をしています。「動物をまるごと理解する」という視点から、動物の「大切さ」「面白さ」「尊さ」を実感できるような研究を心がけています。活発な研究活動を通した学生教育を行い、研究成果は学生たちと世界に発信し、国際的に活躍できる高度な人材育成を実現しています。
動物生産学、動物遺伝資源学、動物環境学の3研究室でありながら、牛や豚などの産業動物、犬などの伴侶動物、イノシシやシカなどの野生動物、水族館のイルカなどの展示動物、ラットなどの実験動物といった幅広いカテゴリーの動物たちを研究対象としています。研究テーマも繁殖・動物ビッグデータとAI/IoT・動物福祉・遺伝子制御メカニズム、遺伝的多様性・遺伝特性・動物行動・環境エンリッチメント・食品成分や環境中の化学物質の影響評価など多岐にわたっており、学生たちの多様な興味に寄り添った指導を行っています。なお植物や環境生態などの他分野、研究所・他大学などの国内研究組織、欧州・北米・アジアなどの海外研究組織との連携や共同研究も大切にし、学生たちの学習経験の幅を広げるハブの役割も果たしています。これら研究活動と学生教育を通じて、この先の未来に貢献していきたいと思っています。

動物生産学研究室

研究テーマ

データサイエンスを活用した安心/安全な養豚生産の確立
高収益低環境負荷を目指した牛飼養技術の開発
疫学的アプローチによる家畜伝染病の発生予防に資する防疫体制の確立

担当教員

佐々木 羊介 / SASAKI Yosuke


動物遺伝資源学研究室

研究テーマ

動物の生産・繁殖・疾病などに関わるDNAマーカーの開発
動物の形質などに影響を及ぼす遺伝子の機能解析
野生動物管理などに貢献できる遺伝的多様性とその特性に関する研究

担当教員

溝口 康 / MIZOGUCHI Yasushi


動物環境学研究室

研究テーマ

化学物質や養育条件などの環境因子が引き起こす影響についての研究
運動や飼育環境, 食品成分など疾病予防因子の探索
不安・学習・生殖などの行動を制御する神経内分泌学的機序の解明

担当教員

川口 真以子 / KAWAGUCHI Maiko

植物保護学分野農学実験 Ⅲ

植物保護分野に関わる3研究室では,病害虫(病原菌・昆虫・線虫)がどのように農作物や樹木に被害を与えるかを理解し、得られた確かな基礎的知見に基づく新たな植物保護技術の研究開発を行っています。近年の地球規模の気候変動は、世界の食料生産や森林に大きな影響を及ぼしています。開発途上国における人口の増加と食料需要の増大による食料不足、環境変動やライフスタイルの変化に伴う森林荒廃など、今後はこれまで以上に安定した食料生産と森林保全が重要となってきています。病害虫による作物や森林の被害は特に大きく(食料生産の2〜4割が損失)、この損失を抑えることが地球規模での大きな課題であり、私たち3研究室の使命です。最新のゲノム解析や遺伝子工学技術を駆使した、遺伝子レベルのミクロスケールな研究から、フィールドワークや進化生物学的視点によるマクロスケールな研究まで、多角的なアプローチを用いてサステナブルな農業と自然環境の構築に貢献します。

植物病理学研究室

研究テーマ

植物病原菌の病原性変異機構に関する研究
植物病害診断と環境評価に関する技術開発
病害抵抗性植物の分子育種法に関する開発

担当教員

大里 修一 / OHSATO Shuichi


応用昆虫学研究室

研究テーマ

生理学的・分子生物的手法を用いた昆虫の生活史戦略の検証
総合的害虫管理技術の開発

担当教員

糸山 享 / ITOYAMA Kyo


植物線虫学研究室

研究テーマ

植物寄生線虫および昆虫寄生線虫に関する基礎・応用研究
極限環境に棲息する線虫の環境適応メカニズムに関する研究
線虫の生態・行動・進化・多様性に関する研究

担当教員

新屋 良治 / SHINYA Ryoji


植物線虫学

研究テーマ

植物寄生性線虫にユニークな神経構造の把握と機能解析
線虫の高い適応能力を説明する形態的特徴の理解
捕食性線虫の共食い回避機構の理解

担当教員

浴野 泰甫 / EKINO Taisuke

園芸学分野農学実験 IV

「園芸学」は,私たちにとって身近な果物,野菜,花を扱う学問分野です。日本の農業における園芸の総産出額(2017年度)は,計39.2%(野菜26.4%,果実9.1%,花き3.7%)で,畜産(35.1%),作物(25.0%)に比べて大きな割合を占めています。
農学科の園芸学分野には,「果樹園芸学」,「野菜園芸学」,「花卉(かき)園芸学」の3つの研究室があり,これらの研究室では,ブルーベリー,かんきつ類,熱帯果樹,アスパラガス,トマト,ニンジン,アジサイ,バラ,スイートピーなど,さまざまな園芸植物を研究対象にしています。研究内容は,「園芸植物遺伝資源の起源解明」,「諸形質の特性調査に基づく新たな育種素材の開発や利用方法の提案」,「温暖化や気象変動が生理現象や生産性に及ぼす影響を考慮した安定生産技術の確立」,「持続可能な新たな生産体系の確立」,「栽培時や収穫後の生理生態的特性の解明による品質向上や鮮度保持技術の開発」など多岐にわたります。

果樹園芸学研究室

研究テーマ

地球的規模の環境変動下における各種果樹の生産性および果実品質の向上に関する研究

担当教員

岩崎 直人 / IWASAKI Naoto


野菜園芸学研究室

研究テーマ

野菜類の生理・生態解明と安定生産技術・新栽培法の開発
栽培環境制御による生理的特性の解析に基づく野菜類の高付加価値化
軽労働で省力的な野菜園芸技術体系の確立

担当教員

元木 悟 / MOTOKI Satoru


花卉園芸学研究室

研究テーマ

花卉遺伝資源の遺伝解析/花の器官形成と花持ち

担当教員

半田 高 / HANDA Takashi

ランドスケープ分野農学実験 V

農学科ランドスケープ分野は、私たちの身近な生活空間から都市・農村空間までの幅広い環境を対象としています。人と生きもの、あるいは自然環境のかかわりを探求し、その成果を実社会の計画や管理に活かすことを目的としています。
ランドスケープは、実態として感じられる空間から、その背後にある多様な仕組み、さらには歴史や文化などまでを含む複合的な概念です。研究室は、人と自然のかかわりの視点からランドスケープを探究する「応用植物生態学研究室」、身の回りの形態や空間のあり方を解明し、デザインに結びつける「環境デザイン研究室」、気象や物質の循環から持続可能な人間活動と環境の関係を考える「環境気象学研究室」の3研究室で構成されます。

応用植物生態学研究室

研究テーマ

首都圏における生物多様性の保全と再生(山地・丘陵地・台地・低地・海岸・島嶼)
ナラ枯れ時代における人と自然との関係の再構築
多摩川の礫河原固有動植物の存続のための環境再生

担当教員

倉本 宣 / KURAMOTO Noboru


環境デザイン研究室

研究テーマ

地域開発における戦略的アプローチと地区デザインの策定

担当教員

菅野 博貢 / KANNO Hirotsugu


環境気象学研究室

研究テーマ

森林・湿地・農地における熱・水・CO2収支の解析
都市近郊の地形や土地利用と局地気象の関係の解明
生態系エンジニアであり資源植物であるミズゴケ類の栽培増殖に関する研究

担当教員

矢崎 友嗣 / YAZAKI Tomotsugu

農業農村工学分野農学実験 VI

食料生産のための作物や家畜を育てるためには、水田や畑などの農地や、作物や家畜が必要とする水の供給、適切な土壌の管理などが不可欠です。それらは、長い年月にわたる人間の営みにより作られ、維持されてきたものです。農業農村工学分野は「土地資源学」「水資源学」「地域環境計画」の3研究室で構成され、都市近郊から中山間地域、臨海農業集落から宇宙までを対象に、食料生産の場でありかつ生活の場でもある農村、それらをとりまく自然環境の形成、管理、保全のための教育研究をおこなっています。具体的には、温室効果ガスや宇宙農業に関する研究、維持管理が容易で地域の環境に配慮した水利施設の開発や改良、都市近郊や臨海農業集落の地域構造の把握と新しい地域資源管理のあり方の構築に関する研究を進めています。

土地資源学研究室

研究テーマ

土壌・海洋・気層中における物資とエネルギー輸送の測定とモデリング

担当教員

登尾 浩助 / NOBORIO Kosuke


水資源学研究室

研究テーマ

渓流河川における取水施設の開発・改良
維持管理者に配慮した水利施設整備技術の確立
アジア・モンスーン地域における持続的な水利システムの検討

担当教員

小島 信彦 / KOJIMA Michihiko


地域環境計画研究室

研究テーマ

農地を中心とした土地利用計画と農村空間整備に関する研究
地域資源管理手法に関する研究
農村地域構造の解析に関する研究

担当教員

服部 俊宏 / HATTORI Toshihiro


土壌物理学

研究テーマ

多孔質体中の水分挙動に対する重力の影響の解明
宇宙農業における灌漑技術の確立
溶液物性の変化が多孔質体中の水分挙動に与える影響の解明

担当教員

佐藤 直人 / SATO Naoto

農学部共通(黒川農場・英語農学)分野

黒川農場は大学付属農場として、環境・自然・地域との共生をコンセプトとした農業研究の農場として開場しました。現在、農学科の学部3年生より、「アグリサイエンス研究室」、「フィールド先端農学研究室」の2つの研究室に所属することができます。
In 「英語農学研究室」we study about climate change causes, effects and countermeasures. Students from different disciplines, such as agricultural science, life science, agricultural chemistry and agri-food & environmental policy, work together to investigate the problems of climate change and potential solutions. They then discuss and explain their work and ideas in English.

アグリサイエンス研究室(黒川農場)

研究テーマ

作物の生産性向上を目指した新技術開発
黒川農場の圃場や里山を活用した応用研究と地域活性化

担当教員

岩崎 泰永/IWASAKI Yasunaga

本研究室には、農学科以外の学科(生命科学科、農芸化学科)からも入室できます。


フィールド先端農学研究室(黒川農場)

研究テーマ

施設園芸および植物工場における野菜の高品質・高収量生産技術に関する研究
発芽能向上のための種子処理法の開発

担当教員

伊藤 善一/ITO Yoshikazu

本研究室には、農学科以外の学科(生命科学科、農芸化学科)からも入室できます。


英語農学研究室

研究テーマ

気候変動に関する諸問題とその対策に関する研究
( Studying causes of climate change, its effects and countermeasures in English )

担当教員

Iain McTAGGART / マクタガート イアン

本研究室には、農学科以外の3学科からも入室できます。